出力制御について

2017年4月のFIT法改正以降、電力会社が行う出力制御への対応が義務づけられました。出力制御の行われる電力管内では、出力制御に対応した発電設備にしなければ契約解除となってしまう場合があります。

ここでは、出力制御に対応するために必要な設備と導入方法について解説します。

そもそも出力制御とは

電気は貯めることができないので、電力消費と供給の「同時同量」のバランスを保つ必要があります。バランスを崩してしまうと大規模な停電に発展しかねないので、電力会社はそうならないために、あらゆるエネルギー源の出力を調整して需要と供給のバランスを保っています。

出力制御が行われる目的

2012年の全量買い取り開始移行、太陽光発電の普及が急速に進み、電力供給が需要を上回り、供給過多となる時間帯が出始めました。

電力会社はそれぞれ「優先給電ルール」を定め、優先度の低い順に出力を抑制して対応することとなりました。その中にも太陽光発電所が含まれているため、出力制御機能を備えることが義務付けられたのです。

3.出力制御に対応するために必要なもの

出力制御に対応するためには

・出力制御対応のパワコン

・出力制御ユニット

の2点を発電所に備える必要があります。
更に、出力制御ユニットをインターネットに接続することで、電力会社の提示する出力制御要請に自動で対応できるようになり、出力制御スケジュールの更新に手間がかかりません。

4.ネット環境の構築

オフラインで出力制御に対応する場合は、更新の手間がかかるうえ本来よりも大きな制限がかかるので、より良い運用にためにネット環境の構築は必須といえます。しかし、多くのお客様がネット環境の構築について悩んでいます。

インターネットへの接続方法はいくつか手段があります。

4-1. 出力制御機能のついた遠隔監視装置を導入する

4-2.メーカーで販売されている通信機器を導入する

4-3.発電所にインターネット回線を引き込む

4-4.格安SIM、モバイルルーター、無線LAN子機を用意する

 

4-1.出力制御機能のついた遠隔監視装置を導入する

最も簡単にネット環境付きで出力制御に対応できるのがこの方法です。自社製品として出力制御ユニットを取り扱っていないメーカーでも、対応を公表している他社製品があります。

 

〇エコめがね 全量モバイルパック<パワコン接続タイプRS>

遠隔監視装置に加え出力制御機能が標準で対応しています。
機種にもよりますが、基本的には

出力制御対応のパワコン+全量モバイルパック<パワコン接続タイプRS>

の組み合わせで、ネット通信機能付きで出力制御に対応できるようになります。

 

対応可能メーカー
・オムロン ・新電元

〇ラプラス Solar Link ZERO

遠隔監視装置に加え出力制御機能が標準で対応しています。

機種にもよりますが、基本的には

出力制御対応のパワコン +  Solar Link ZERO

の組み合わせで、ネット通信機能付きで出力制御に対応できるようになります。

 

対応可能メーカー
・SMA ・三菱 ・デルタ電子 ・安川電機など

 

4-2.メーカーで販売されている通信機器を導入する

具体的に何が必要な機器や、組み合わせに対応できるパワコンには各メーカーで異なります。

以下では出力制御対応のパワコン一覧表をメーカー発表にて記載しますが、一覧表にない機種でもメーカーによる内部のアップデート等で対応できる場合があります。製品個別のご相談に関しましては、お問い合わせください。

〇オムロン

出力制御対応パワコン

区分 シリーズ 形式
単相用 KPK KP30K2-A / KP40K2-A / KP55K2-A
KP40K2-P-A / KP55K2-P-A
KPR KP48R-J3-A / KP59R-J4-A
KPM KP44M2 / KP55M2
KP44M2-J4 / KP55M2-J4
KP44M2-PJ4 / KP55M2-PJ4
KP44M2-SJ4 / KP55M2-SJ4
KP44M-SJ4 / KP55M-SJ4
KP44M-A / KP55M-A
三相用 KPT KPT-A99 / KPT-A100 / KPT-A123
KPT-A99-E / KPT-A100-E / KPT-A123-E

 

出力制御ユニット

産業向けPV用 KP-MU1F KP-MU1F-SET / KP-MU1F-M-SET
KP-MU1F-BOX-3G / KP-MU1F-BOXS-3G

「KP-MU1F-BOX-3G / KP-MU1F-BOXS-3G」と「エコめがね全量モバイルパック」には予めインターネット通信用の装置が組み込まれていますので、設置後に、電力会社から与えられた事業者IDを入れて初期設定をすれば、そのあとは自動で出力制御に対応します。

〇田淵電機

出力制御対応パワコン

単相用 EPC-S40MP2-L
EPC-S49MP3-L
EPC-S55MP3-L
EPC-S55MP4-L
EPC-S99MP5-L
EPC-S99MP5-CL
三相用 EPU-T99P5-SFL
EPU-T250P8-FPL
EPD-T250P6
EPD-T330P7

田淵電機の場合、単相と三相で必要な出力制御用機器が異なります。

 

単相

出力制御機器-リモコン:ZREM-35NM

通信用ゲートウェイボックス:EOU-CGW01

パワコン+リモコン+ゲートウェイボックスの3点を揃えることで出力制御に対応できます。ゲートウェイボックスには3G回線が組み込まれていますので、3点を揃えることでネット経由での更新スケジュールの取得が可能になります。

 

三相

マスターボックス:EOU-A-MBX01-L / EOU-A-MBX03-L

通信用ゲートウェイボックス:EOU-CGW01

と出力制御対応パワコンの3点を揃えることで、出力制御に対応します。

ゲートウェイが必須となっているため、そのままでネット通信可能です。

 

〇デルタ電子

出力性制御対応パワコン

単相用 RPI H4J(P)
RPI H4.5J(P)
RPI H5.5J(P)
RPI H6J(P)
三相用 RPI-M16A
RPI-M20A
RPI-M50A

出力制御ユニット

パワーモニター RPM R3J

デルタ電子社製のネット通信機器は発売されておらず、ネット通信をするためには事業者様にご用意いただく必要があります。

 

〇SMA

出力制御対応パワコン

Sunnyboyシリーズ 3500TL-JP-22 3500TL-JP-22/MP
4500TL-JP-22
4500TL-JP-22/MP
5400TL-JP-22/MP
SunnyTryPowerシリーズ 10000TLEE-JP-10
10000TLEE-JP-10/V0168
10000TLEE-JP-11
20000TLEE-JP-11
25000TL-JP-30

 

SMA社から出力制御ユニットは発売されていませんが、NissinSYSTEMから屋外設置型出力制御ユニットが発売されています。

屋外設置型出力制御ユニット:SMA-GW-001

 

この製品にはネット接続機能が搭載されていますが、出力制御ユニットとパワコンを繋ぐための機器とSIMカードをご自身で用意する必要があります。

SMAのパワコンは標準で遠隔監視に対応しているので、出力制御ユニットにもSIMカードを搭載して通信可能にしてしまうと、予めパワコンの遠隔監視機能を使っていたときに二重接続になってしまうからです。

 

出力制御ユニットとパワコンを繋ぐための機器はいくつか選択できますが、

・既に遠隔監視を行っている場合

LANによる有線接続

・遠隔監視を行っておらず、制御ユニットにSIMを搭載して通信する場合

無線LAN子機を用意し、Wi-Fiによる接続、または有線LANによる接続

 

4-3.発電所にインターネット回線を引き込む

4-4.格安SIM、モバイルルーター、無線LAN子機を用意する

上記2点はメーカーに頼らず、ご自身でネット環境を構築する手段です。4-3.は3G回線のつながらないエリアでネット接続するために有効な手段ですが、引き込むための工事が必用となり、コストがかかります。4-4.は4-3.よりもイニシャルコストを抑えることができますが、通信が不安定になってしまった場合にメーカーが対応できませんのでご注意ください。また4-3.4-4.の双方で月々の通信費が数千円~発生します。遠隔監視装置やメーカー製の通信機器には、多くの場合10年分の通信費用が込みになっていますので、大したコストの差が生まれないのが実際のところです。

基本的には、より手厚い対応と機能の安定が期待できる4-1.か4-2.の方法をお勧めします。

 

5.出力制御に対応する方法

オンライン
出力制御に対応し、ネットに接続できる状態であれば、電力会社からの出力制御の要請に対して何らかの操作をする必要はありません。

出力制御ユニットが自動で電力会社から出力制御スケジュールを取得し、接続しているパワコンに自動で指示を出します。

このときに電力会社から取得する情報を「更新スケジュール」と呼びます。

 

オフライン

出力制御に対応しているものの、ネット環境を構築しておらず、発電所がオフラインの場合、パソコンなどから電力会社の出力制御スケジュールをダウンロードし、出力制御ユニットへ入力する必要があります。

この情報を「固定ケジュール」と呼びます。

 

更新スケジュールは、前日までの気象情報から電力会社が判断した・30分刻み・出力1%刻みの細かな条件が設定されています。一方の固定スケジュールは「〇日~×日まで停止」といった大まかな条件設定しかされておらず、発電機会の損失が大きくなりますので、できるだけ広義のPCSにはネット通信機能を備えることをお勧めします。

 

6.出力制御の今後

既に、2017年度内に管内の太陽光発電所に出力制御の対応を義務付けている九州電力をはじめ、北陸電力、東北電力、中国電力・・・と順に出力制御が導入される予定となっております。

※2017年現在-東京電力、中部電力、関西電力は予定なし

また、出力制御の予定されているエリアでは、出力制御に対応した太陽光発電所でなければ連係申し込みを受け付けてもらえない場合もあります。

 

7.出力制御の損失を軽減するために

出力抑制による売電利益の損失は、出力制御補償へ加入することで、ある程度軽減することができます。詳しくはこちら。

その他、出力制御や対応パワコンなどのご不明点につきましては、下記よりお気軽にご相談くださいませ。

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