まだ間に合うの?太陽光発電所のパネルの増設について

発電所の増設について

2017年8月31日:公布により、これまで通りの増設ができなくなりました。

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等が公布されました(資源エネルギー庁)
※別窓で開きます
すべての増設ができなくなったわけではありませんので、
手続きに関する不明点や詳細につきましては、お問い合わせください。

増設できるのであれば増設を行ったほうがいいの?

増設はすでに連携が終わっている発電所の発電量を直接増やすための方法で、少ないコストで売電収入を増やすことができるため、多くの発電事業者様の注目を浴びています。

増設は売電事業を行っていくうえで非常に効果的な方法ではあるのですが何も知らないで増設を行うと、いろいろなトラブルが起こってしまいます。

本コラムでは発電事業者様が正しく増設を理解することで発電量を増やすお手伝いができればと思い記載していきます。

増設はルール変更などで厳しくなっていくことも考えられますので実際に行う場合は今のルールがどうなっているのかをきちんと確認をしたうえで行ってください。
※本コラムは2017年4月13日に執筆しております

増設はパワコンの容量を増やさずにパネル枚数のみを増やすこと!

増設はパワコンの容量は変えずにパネルの枚数のみを増やすことで、発電量を増やす方法です。

大尉用甲発電所の容量はパワコンとパネルの出力の低いほうとなっており、この二つのどちらかが50kW未満になっていれば低圧の発電所として認定されます。

パネルの出力(交渉出力)は最適な条件のもと発電できるW数のことなので、実際には表示されているほど発電しません。

そのため、ほとんどの発電所はパネルの出力>パワコンの容量となっています。
固定価格買取制度が始まって2-3年はパワコンの出力とパワコンの出力の差があまりなかったのですが太陽光発電所の設置が進み、いろいろなデータを見ているとパワコンの容量にかなり余裕があることがわかってき、じゃあもっとパネルを設置しようとなってきました。

よく似た言葉に過積載がありますが過積載が連携前(はじめ)からパワコン容量よりも多くのパネルを設置しているのに対して、増設は連携後にパワコン容量を増やすことを指します。

連係している発電所でもパネルを増やすことができ売電収入を増やすことができるといことで多くの発電事業者の注目を浴びている方法です。

増設できる発電所はどんな発電所!

増設を行うことができる発電所がどのような発電所なのかをご紹介していきます。
まず当たり前の話ですが新しくパネルを設置する場所がある必要があり、既存のパワコンの位置からあまり離れていないことが重要です。

離れている場所でも増設ができないわけではないのですがケーブルを長くすると、ケーブル内でロスが生まれてしまいせっかく発電しても売電できる量が少なくなってしまいます。

次に重要なことがパワーコンディショナの種類です。
パワーコンディショナは国内海外含めいくつかのメーカーが出ていますがメーカーによって増設が得意なメーカー苦手なメーカーがあり、苦手なメーカーの場合増設ができないケースもあります。

増設が得意なメーカーと弊社で考えているのはSMAや田淵電機などのマルチストリング方式のパワコンです。
増設に不向きなのはデルタ電子やオムロンといったメーカーです。
※増設ができないわけではありません

どれくらいの増設ができるのかはパネルの種類とパネルの種類によって異なるのでどれぐらいの増設ができるのか気になれる方はお気軽にお問合せください。

影が当たってしまう場所があって泣く泣くパネルの設置をあきらめた方には朗報です。
実は増設を行える場所は陽当たり良好な場所でなくても大丈夫です。

もちろん影がかかっている場所は通常よりも発電量は下がってしまいますが大きな発電量の低下にはつながらず、売電単価の高い案件であれば十分なメリットを得ることができます。

凸凹の変形地などももともとは設置が難しかったですが今では単管架台をうまく使うことで設置することができるようになっています。

ここって使えるかな?と思える場所がありましたらお気軽にお問合せください。

増設のメリット

増設の一番のメリットは何といっても発電量のアップで売電収入を上げることにより利回り率を良くして設備の回収年数を早めることができます。

基本増設を行う場合、パワーコンディショナの追加が必要なくパネルと架台・ケーブルのみの工事で増設が完了できますし、パネルは年々安くなってきているので場所や増設の量にもよりますが基本的には13-20万/kW程度で増設を行うことができます。

また、最近では多くのメーカーが増設を見越したシミュレーションの作成を行っているので増設後の発電量もかなりイメージしやすくなっています。

発電量についていくつか例を記載しておきます。
それぞれ増設前の発電量と増設後の発電量を記載しています。

A発電所
設置場所:三重県亀山市
増設前パネル容量:56.16kW
増設前年間発電量:68,938kW
増設後パネル容量:84.24kW
増設後年間発電量:92,485kW
前年比:134%
増設費用:5,884,650円(税込み)
※36円案件で増える売電収入は915,507円/年

B発電所
設置場所:茨城県香取市
増設前パネル容量:66.78kW
増設前年間発電量:82,396kW
増設後パネル容量:85.86kW
増設後年間発電量:101,296kW
前年比:123%
増設費用:3,090,960円(税込み)
※32円案件で増える売電収入は653,184円

数字で比較すると増設のメリットの大きさがわかっていただけるかと思います。

パネル増設方法について

パネルの増設方法はいくつかあり現在設置されている設備(主にパワコン)や増設可能場所によって適切なものが異なってきます。

既存の設備の中で注目すべき点はパワーコンディショナになります。
パワーコンディショナの種類が田淵電機を代表するマルチストリングであれば増設はそこまで難しく考えずパネルの枚数を増やすだけでことが済みます。
※配線は工夫したほうがいいですが

マルチストリング型のパワコンはパネルが発電した電圧値が異なっていてもそれぞれのストリングがほかのストリングに干渉することがないため増設には向いています。

と少し難しい言葉で記載してしまいましたので補足しておきます。

パワーコンディショナにはマルチストリング型と分散型という二つのタイプがあります。
それぞれの理解をするためには少し長くなりますがパワコンの役割からきちんと理解する必要があります。

パワーコンディショナはパネルが発電した電気を売電できる状態に変換するための機会です。
パネルが発電した電気は直流の電気です、皆様の自宅に流れてくる電気や電線に流れている電気はすべて交流の電気なのでどこかで直流の電気を交流の電気に変換しなくてはいけません。

この役割を担っているのがパワーコンディショナなのです。

ずらーと並んでいるパネルのケーブルをつないでパワーコンディショナに接続するのですが1台のパワーコンディショナに接続できる配線の数が決まっており、仕様書などにはストリング数などと記載されています

例えば先ほど出てきました田淵電機の9.9kW三相パワコンであればストリング数は5つになります。
セントラルタイプといわれる大型のパワコン以外すべてのパワコンにこのストリング数は定められており、このストリングごとに直列でつなぐことができるパネルの枚数が決まっています。

これは、接続するパネルの電圧値によって変化しますので一概に決まっていないのですが、いずれのパワコンにもパワコンを動かすための起動電圧値と最大電圧値が決められており、その数値の中で枚数を決めていきます。

弊社を含む施工業者が考えないといけないのはそれぞれのストリングに何枚の枚数のパネルを接続するのかです。
適当につけてもよさそうなものなのですがこのストリングごとに適当な枚数を接続してしまうとパワコンの種類によっては各ストリングの中で一番低い電圧値をそのパワコンの電圧値として選択してしまいます。

パワコンが出力する電圧値は各パワコンで決まっており、低圧の発電所であれば基本的には200V前後です。
200Vの交流の電気に変換するときは電圧と電流値をもって売電できるW数が決まってくるのですが、一番低い電圧値が適用されてしまうとそれだけでW数が下がってしまう計算になってしまいます。

集中型といわれるパワコンがまさにこの通りで集中型のパワコンの場合各ストリングの枚数を同じにしてあげないと本来期待できる発電量が確保できないことがあります。

マルチストリング型のパワコンはこのストリングの一番低い電圧値がすべてのストリングの電圧値になるということがありません。
発電した電気はすべて本来の電圧値で販売できる電気に変換してくれます。
※この考えは影の影響で発電所の発電量が大きく下がることにもつながります

下記表は集中型とマルチストリング型のわかりやすい数値図になります

各ストリングの電圧値 実際の電圧値 マルチストリング型 集中型
ストリング① 100V 100V 60V
ストリング② 110

110V 60V
ストリング③ 80V 80V 60V
ストリング④ 120V 120V 60V
ストリング⑤ 60V 60V 60V

本来の説明から外れて大変長くなってしまったのですがマルチストリング型のパワコンが現在の発電所に設置されていれば最大入力電圧値の数値まで直列のパワコンを追加すれば難しいことを考えなくても増設は簡単に行うことができます。

集中型のパワコンの場合はそういうわけにはいかず設置されているパワーコンディションに接続されているパネルの配線を把握したうえで配線の組みなおしから行わないといけなくなります。
そのため、配線のやり直しで費用が掛かったりします。

また、影がかかる場所に増設を行う場合、集中型のパワコンは難しいです。
影がかかる=ストリングの電圧値が下がってしまうことなので影がかかりやすいといころに増設してしまったためにパワコンの発電量が少なくなってしまったという声も少なくありません。

ここまでの増設に関する話を簡単にまとめると次のようになります。

増設する発電所のパワーコンディショナがマルチストリング型のパワコンの場合

増設方法:細かなことは気にせず接続できるだけのパワコンを直列で増やす

増設する発電所のパワーコンディショナが集中型の場合

増設方法:多くの場合配線の組み換えが必要

増設するパネルを設置する場所に影がかかる場合

増設方法:マルチストリング型であれば細かなことは気にしない、集中型であれば電圧値が低い値に制定されることを踏まえて検討を行う。

集中型のパワコンには電圧調整器という選定もあります。

ここまでの記事を読んでいただくと集中型のパワーコンディショナであれば増設は難しいのでは?と思われるかもしれません。

そんな方でも簡単に増設することができる昇圧装置が最近ではいろいろなメーカーから発売されています。

これは、マルチストリングの機能を集中型にも持たせることができる機械でパワーコンディショナ前に設置をすることであらかじめ電圧値を調整した状態でパワーコンディショナに電気を流すことができるので発電量を下げることがありません。

最近では特に影が良くかかる場所に増設をするときに使用される事業者様が非常に多いです。

今まで細かく集中型やマルチストリング・接続枚数などについて記載してきましたが、蓄電池を使った増設を行うとこれらのことすべて無視して好きなだけ増設を行うことができます。

理論としては発電した電気を一度すべて蓄電池にためて、売電する分だけをパワコンに流して売電するという方法です。

蓄電池からパワコンに流れる電気の量はパワコンの容量を超えることはありませんのでどれだけパネルを設置してもピークカットが起こることはありません。

蓄電池の価格がまだ高いため売電単価が低い方にはあまり魅力的な売電収入の向上にはなりませんが、高い売電単価で増設する場所が多くある方にはおすすめな方法です。

蓄電池を使った増設に関しては下記の記事で詳しく説明しておりますので参考にしていただければと思います。
コラム:A-スタイルのピークシフト蓄電池で目指せ、過積載率300%!2017年3月展示会注目企業のご紹介!

増設のコストについて

メリットのところで少し記載しましたが増設に係る費用についてご説明していきたいと思います

これから記載していく費用は2017/04現在の価格になりますので実際にご検討されるときはお見積りを取って頂けると幸いです。

増設を行うパネルは基本的には何でも構いませんがCIS系は他のパネルとの相性があまりよくありませんのでソーラーフロンティアを設置されている方はソーラーフロンティアで統一を行ったほうが良いでしょう。

なお、単結晶と多結晶はマルチストリング型であれば電圧値は調整されるので組み合わせてしまっても問題ありませんが見た目の問題がありますので多結晶なら多結晶、単結晶なら単結晶に合わせる方が多いです。

モジュールの費用
単結晶タイプ:1kWあたり約58,000-68,000円程度
多結晶タイプ:1kWあたり約53,000-65,000円程度
アルミ架台:1kWあたり25,000円程度
工事費用:1kWあたり50,000-60,000円程度(配線の組み換え次第)
その他:現場の状況に応じて費用が掛かったりする場合があります
昇圧器:パワコン1台当たり150,000-250,000円程度

27円以上の売電単価であれば増設をすると十分な利益回収ができ、増設分の回収は4-6年程度でできるといわれています。

増設は売電単価の残りの期間しかできませんのでやるなら早い者勝ちといわれていますので増設できる場所はあるけど悩んでいるという方はお気軽にお問合せください。

増設を行うまでの流れ

改正FIT法が2017/04/01から始まり増設を行うための流れが大きくかわりました。
具体的な流れを記載していきますので参考にしていただければと思います。

①みなし認定を新認定制度へ変更する

みなし認定というのは2017/04/01より前に設備認知を取得したすべての発電所のことを指します。
増設を行うことを考えている人であればほとんどの方が現状みなし認定の状態だと思います。

まず、みなし認定のままでは増設を行うことができませんので現行の制度である新認定制度に変更する必要があります。

新認定制度に変更させるためには事業計画を提出する必要があります。
事業計画はインターネット上でも提出が可能なのですが提出を行うためには登録事業者のIDとPASSが必要でほかの会社で取得をしてもらっている方であればこのIDとPASSはお持ちでないと思います。

登録事業者の情報がなくても郵送にて対応することはできますので安心してください。
通常この切り替えには1か月程度の時間がかかるといわれています。

②事前変更届出を行う

新認定制度には太陽電池総出力という項目があり増設するためにはこの数値を変更する必要があります。

新認定制度になったことで変更関係も少しややこしくなったのですが新認定制度は変更の方法が全部で3つあり太陽電池の出力の変更は事前変更届出による変更になります。

この時に提出書類として増設後の割り付け図面と配線図を提出する必要があります。

③電力会社に申請を行う

JPEAでの変更が完了したタイミングで電力会社に登録されている情報も変更しなければいけませんので電力会社に連絡して変更手続きを行います。

ただし、現状見えない点として②と③の流れが逆になる可能性があります。
実際に増設を行う場合、この点をよくご注意ください。

増設をされている方の中には電力会社にもJPEAにも黙って増設をしている方が比較的多いと聞いています。

今回の改正FIT法はこれらの違反している事業者の締め付けも1つの目的と聞いておりますのでしれっと勝手に増設することはやめたほうがいいでしょう。

実際の発電所情報と登録情報が異なっている場合最悪権利のはく奪も考えられます。
とはいえ今のところ増設に対する規制などは決まってないので、きちんと必要手続きを行ってください。

増設時に気を付けるべき点

増設を行う時には気を付けないといけないことがいくつかありますので紹介してきます。

①手続きを行う
②ブレーカー容量に注意
③売電期間長くならに
④パワコンの保証が効かない場合も
⑤ピークカットを踏まえたシミュレーションを確認

①手続きを行う

増設の流れでもご紹介しました増設のための流れを必ず行ってください。
増設は国民負担の見直しという課題の一番の的になっており、現在規制をかける方向で審議が進んでいます。

手続きを踏まず勝手に増設を行うことで権利がはく奪されることが十分考えられますので、正規の手続きを踏んで発電電事業を行うようにしてください。

②ブレーカー容量に注意

増設を行うことでパワーコンディショナの後ろに設置を行う集電箱にも今まで以上の電気を流すことになります。

よく増設を行ったことで集電箱の中に入っているブレーカーがよく落ちてしまうというトラブルが発生しています。

初期の発電所はどの程度のブレーカーを設置するのが良いかがあまりわかっていませんでしたので今設置しているものに比べると比較的容量が小さいものが多いです。

増設後を見越してメインブレーカー、子ブレーカーともに見直しを行いましょう。

③売電期間は長くなりません

増設はあくまですでに運用している発電所のパネルを増やすだけですので売電期間も今の発電所のものが適用されます。

3年過ぎている発電所の場合、残り17年になるので、収支を考えるときはきちんと計算しましょう。

④パワコンの保証が効かない場合も

各会社のパワーコンディショナには接続可能枚数とは別に保証範囲というものが決まっています。

接続可能枚数=保証範囲ではないことがありますのであらかじめ保証範囲がどこまでなのかを確認しましょう。

メーカー保証が効かなくても他の保証で賄えることがあります。

⑤ピークカットを踏まえたシミュレーションを確認

増設を行うことで発電した電力がパワーコンディショナの性能を上回ってしまうことがあります。
蓄電池などの機器がないとその電機は捨てなければいけません。

現在ではこの捨てなければいけない電気も計算してシミュレーションを行うことができるツールも出ていますのでシミュレーションを取るときにはこのピークカットが考量されているのかを確認することが必要です。

増設すればするほどピークカットの量は増えていきますので設置場所と売電収入から最も最適と思われる増設量を決めていきましょう。

まとめ:結論!増設は行ったほうが絶対にお得

増設に対して様々なことを記載してきましたが、増設ができる場所がある発電所は増設を行うことで資金の回収年数が早まり事業としての収益はほぼ必ず改善されます。

設置する場所があるのでした一度検討されることをお勧めします。

ご興味を持っていただけたのであればシミュレーションとお見積りを取られてみてはいかがでしょうか?

具体的な数字を見ることでより具体的にイメージがわくと思います。

内容を見ていただきわかりにくかったことやもっと詳しく知りたい等がありましたらいつでもお気軽にお問合せください。

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