最新情報セミナーに学ぶ これからの太陽光発電事業

最新情報セミナーに学ぶ これからの太陽光発電事業

太陽光発電関連制度の最新情報セミナーに行ってきました。

9/20(水)TKPガーデンシティ大阪梅田にて開催された「太陽光発電関連制度の最新情報セミナー」に行ってきました。
今回の参加者は発電事業者よりも関連企業のほうが多かったようで、FIT法見直しの背景から国として望む再エネの将来、果ては事業者にとって義務となったメンテナンスまで、細大包括的な内容だったと思います。
全体を通して強調されていたのは、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーが投資対象から「事業」へ変わったということです。
そもそも国の認可を要する設備として導入が始まった再生可能エネルギーですが、これまで投資対象としての魅力が勝っていたそれらに対して、本格的な電源としての役割を持たせる動きが強まっています。
この記事では、
●なぜFIT法を見直さなければならなかったのか?
●これからの太陽光発電はどうなっていくのか?

この2点について、セミナーレポートとしてシェアしたいと思います。

 

 

1.改正FIT法施行の背景

2012年7月に固定価格買取制度、通称「FIT法」が施行され、再生可能エネルギー設備の容量が大幅に増えました。
そこで、大きく分けて以下の問題が顕在化しました。

1.太陽光に偏った導入

再生可能エネルギーの設備認定のうち、およそ9割が太陽光発電

認定された容量のうち、実態としては約3割程度しか稼働していない

2.国民負担の増大
一般家庭から徴収する再エネ賦課金は2012年の57円から2017年度は686円と12倍に増加

これらに対処するために、改正FIT法が2017年4月に施行されました。

FIT法の改正前後で変わったところ(2017年4月)

代表的なところでは「設備認定」が「みなし認定」を経て「事業認定」に替わります。これは、約60万件を超える未稼働の発電所を失効により排除し、新たな未稼働案件を防止するという狙いによるものです。
同時に、きちんと稼働している発電所に関して、事業者が行うべき申請や設備への変更などが増えました。

 

申請の義務について-2017年9月30日までのみなし認定申請(10kW未満は2017年12月31日まで)

弊社でも多くのみなし認定の申請代行を行わせていただきました。
期日までに行わなかった場合、認定取り消しとなる可能性がありますが、資源エネルギー庁によれば、自動的に失効はないとのことです。
「聴聞」という個別の呼び出しによって事情の説明が求められることとなり、その後もなお提出されなかった場合に認定が取り化させる流れとなります。
「じゃあ、よくわからないし聴聞されるまで放っておこう」というのはお勧めしません!
一見、面倒な書類がたくさんあって非常にわかりづらい印象を受けるかと思いますが、慣れてしまうとそうでもありません。
また、適切なタイミングで必要な申請を行うことや、遵守事項を守るための対策を打つ、ということは今後の発電事業のなかで必ず出てきます。聴聞された日がご自身の予定と合致するとも限りませんし、どうせやらなければいけないのであれば、お早めに済ましてしまうことをお勧めします。
そして、この認定申請のなかで、下記の遵守事項への同意が必要となります。

発電所に必要な設備

①フェンス、標識の設置

発電所の安全確保のため、外周フェンスの設置が義務付けられました。また、近隣からの苦情や通報先として、標識を設置することも義務付けられました。
基本的には、野建ての発電所に必須とされています。

②メンテナンス(保守・点検)の実施

これまでは任意として義務化されていませんでしたが、9/30の申請締め切り以降は義務となります。
高圧発電所の場合、ご注意いただきたいのは、今まで義務であった「保安点検」とこれから追加で義務となる「保守点検」の違いです。
「常駐している電気主任技術者に任せている」とおっしゃられる事業者様もおられるのですが「保安点検」と「保守点検」は対策項目が異なります。
「保安点検」はあくまで発電所の安全確保を目的とし、
「保守点検」は発電所の安定稼働を目的としています。
とても長くなってしまいますので詳細は割愛しますが、結論として保守点検(メンテナンス)については、24時間365日対応できる業者へ依頼されることをお勧めします。

③出力制御に対応するための設備

ガイドライン上の書き方では「出力抑制の要請に対する協力」という項目になります。
2017年9月22日現在では、2017年度内に九州電力管内の発電所が対象となっている事項ですが、今後も出力抑制地域が増える予定です。
具体的には、パワコン内に出力制御ユニットの追加することで対応します。

保管すべき資料

事業計画書などの、作成して提出する書類のほかに、通常は提出の必要がないもの作成の義務が遵守事項に盛り込まれている書類があります。
苦情や通報など、何か問題が生じたときに対応するために必要となり、場合によっては提出を要求される場合もあります。
一覧としては、下記の通りになります。

・保守点検計画書
・維持管理計画書
・保守フロー 緊急連絡先フロー
・廃棄費用(※新規の場合は申請時に提出)

 

告示改正によって禁止されたこと(2017年8月31日)

2017年8月31日にFIT法関連制度の告示改正があり、過去の売電単価を維持した3kW以上または3%以上の増設を実質禁止することで、国民負担の増加を防止しています。
実質禁止というのは、物理的に増設することが不可能となったわけでなく、規定以上の増設を行った場合は、現行の売電単価(9/22現在であれば21円)に調整されてしまう、ということです。
発電所稼働後の増設はこれまで増収のために有効な手段でしたが、仮に過去の高い売電単価のままで容量が増えた場合、それだけ容量あたりの一般家庭が負担する額が現行価格に比べて高くなってしまうこととなります。そういった不公平に配慮し、過去の売電単価を維持した増設の実質禁止が定められることとなりました。
8/31以前に増設の申請がお済みであれば、9/1以降でも、既に提出している事業計画に沿った内容であれば問題ありません。

新規発電所を施工する際に気を付けたいこと

自治体に対する計画の説明の義務

発電所への標識の設置や経産省HP上で事業者名が公開されることからも伺えるように、発電事業者の地域との共生も改正FIT法のねらいに盛り込まれています。そこで、発電所を設置する際に、該当地域への発電事業計画の説明を行うことが義務と定められました。
具体的には、説明会を開催したり、会議をしたりということになりますが、そういった場合には上記の書類が役立ってくるかと思います。

今後明確化される「標準仕様」

経済産業省では、事業としての発電所を促進すべく、より安定した設計の「標準仕様」というモデルケースを予定をしています。現在はNEDOにて3パターンの仕様を想定し、実証試験中とのことでした。
新規設計の際にその標準仕様を参考として、災害に強く安定稼働が可能な発電所にしてください、という推奨事事項です。
確かに、安定した電力確保のために、物理的な設計もトラブルに強いものである必要があるのは言うまでもありません。
ただし、標準仕様が定められたからといって、今後新規で設計施工される発電所全てが「標準仕様」に即したものでなければいけないかというと、そういった拘束はなく、あくまで発電所を新設する際の基準として参照する程度に留められるようです。

まとめ 「事業」となった太陽光発電との向き合い方

これまで、比較的放置していても儲かる投資対象としての魅力が強かった太陽光発電ですが、改正FIT法の施行で義務や申請、追加の設備が大幅に増えました。
メンテナンスやフェンスなどを新たに追加しなければならないかたなどは、利回りが減るとお嘆きの場合もあるかと存じます。施行されてしまった以上、事業を継続してゆくためには避けて通れません。
「設備認定」から「事業認定」に切り替わったことで、やらなければいけないことが増えたのは事実ですが、いちばん大きく変わったのは「正しい情報を素早く収集しなければならない」ということだと思います。
そういった側面を踏まえ、ご自身に合ったパートナー選びをされることをお勧めします。
弊社では、8/31の告示改正時にも、事前に得た「増設禁止」の情報をお取引のある事業者様へ一斉にアナウンスさせていただきました。
常に最新情報を追い掛け、めまぐるしく変わる制度の中でも、正しく快適な運用をお手伝い致します。
制度の改正によって「事業」として制約が増えましたが、「事業」であるからこそ、計画的に利益を出すことは絶対です。効率的で計画的な発電事業のため、全力でバックアップさせていただきます。
FIT法での遵守事項やメンテナンスについてのご相談など、不明点につきましてはお気軽にご相談いただければと存じます。
お問い合わせはお気軽にどうぞ

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