2017年8月31日:公布により、これまで通りの増設ができなくなりました。
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等が公布されました(資源エネルギー庁)
※別窓で開きます
すべての増設ができなくなったわけではありませんので、
手続きに関する不明点や詳細につきましては、お問い合わせください。
過積載は太陽光市場をどのように変えたのか?
過積載は低圧の発電所の利益を最大限にするために非常に効果的な設置方法として、2015年度後半ごろから本格的に設置が行われてきました。
過積載の設置は売電収入にどのような影響を与えたのでしょうか?
今後とも過積載での発電所設置を積極的に進めていくべきなのでしょうか?
今後の太陽光発電事業にとって重要な考え方である「過積載」について、再度整理を行っていきたいと思います。
今更聞けない「過積載」とは?
※過積載についてよく知っている方はこちらをクリックしてください(提案実績に飛びます)
過積載は簡単に言うと、パワコンの性能以上のパネルを設置することで発電所全体の年間発電量を増やすという方法です。
太陽光発電所の種類は大きく3つに分かれており、それぞれに必要な設備が異なっています。
発電所の種類は下記のとおりです。
①50kW未満の低圧発電所
②50kW以上2M未満の高圧発電所
③2M以上の特別高圧発電所
高圧以上の発電所になるとメンテナンス義務が出てきたリ、キュービクルという高額な変圧器を設置しないといけなかったり、そもそもの設置費用が高額であったりするので、個人の方にはなかなか導入ができなかったり低圧の発電所には必要のないコストがかかり事業採算性が低くなったりしてしまいます。
そのため多くの方は低圧の発電所設置を検討するのですが、低圧発電所は分割設置が禁止されているため、広い土地だったとしても1つしか設置をすることができません。
※ちなみに50kW程度の発電所であれば200坪程度の土地で設置が可能です
このような事情があり、多くの発電事業者様はどうにかして低圧の発電所でも発電量を増やしたいと考えるようになりました。
そこで生まれた考え方が、過積載です。
太陽光発電所の容量はパネル容量とパワコン容量の低いほうを発電所容量と考えます。
極端な話、パネル容量が500kWでもパワコン容量が50kW未満であれば、過積載ということで低圧発電所と認められます。
また、パワコンは容量が仮に5kWだったとしても5kW分のパネルしか接続できないわけではなく、いずれのパワコンも容量よりも多くのパネルを設置することができます。
※どれくらい多くの設置が可能かはメーカーや型番によって異なります
パワコンの役割は直流の電気を交流の電気に変換することですので、パワコンの容量というのは最大5kWの直流電気を交流電気に変更することができるということです。
そして、パネルの公証出力というのは、最大で270Wの直流電気が発生することができるという意味なので、常時270Wの発電を行っているわけではありません。
仮にパワコンとパネルの出力が同じであれば、パネルが最大の発電を行っていないとき、パワコンは容量に余裕があるといことになります。
過積載とは、この余裕を最大限まで活用するためにあらかじめパネルの枚数を増やして設計することを指します。
仮にパワコンの容量以上の直流電気をパネルが発電したとしても、交流に変換されないだけで発電所には大きな影響を与えることはないといわれています。
過積載の発電所はパワコン容量が低圧の発電所と同じなのでkWあたりの設置費用は下がり、発電量は増えるので売電収入が高くなり、初期費用の回収年数が短くなりました。
実際の発電量から読み解く「過積載」の将来
弊社ではいくつもの過積載を提案させていただき、実際に設置をさせていただきました。
その際にお客様によく言われたのは大きく2つでした。
①本当にメリットの出る発電所の設計ができるのか?
※過積載しないほうが利回りはいいのでは
②発電所の寿命が短くなるのでは?
2つとも、ごもっともな懸念です。
提案させていただいていた時はデータがなく技術的なお話しかできなかったのですが、連携して1年以上の日数が経ち、具体的な根拠となるデータがあるので根拠数字を明確にしながらお答えさせていただきます。
下記内容は実際の提案内容になります
パネルメーカー | ネクストエナジジー | 型番 | NER660M295 | 枚数 | 396枚 |
---|---|---|---|---|---|
パワコンメーカー | SMA | 型番 | SB4500TL-JP | 台数 | 11台 |
設置場所 | 和歌山県白浜町 | 設置方位・角度 | 真南・角度10度 | メーカーシミュレーション | 122,645kW |
現在販売されているパワコンの中で、保証が効く範囲で最大の過積載を行うことを考えるとSMA社が出しているサニーボーイの4.5kWパワコンになります。
このパワコンを使用して295Wの単結晶のモジュールを設置するとした場合、1台当たり最大枚数は40枚になり、低圧の発電所だと11台の設置が可能になりますのでその場合440枚のパネルの設置ができ、最大設置容量は129.8kWになります。
SMAにも確認しましたが、もし過積載が原因でパワコンに負荷がかかってしまい壊れたとしても保証の範囲内になるとのことでした。
SMAのパワコンの過積載率は他のパワコンメーカーと比べると群を抜いて高いですが、ほとんどのメーカーが120%以上の過積載で保証を出すようにしています。
保証を出す過積載率に違いはありますが、すべてのメーカーが過積載をある程度考慮してくれており、過積載を求める人が増えているのに合わせて過積載率を高く設定しています。
「メーカーが保証をしてくれる」=「発電所の寿命が短くならない」ではないですが、仮に何かが起こったとしてもメーカーが保証してくれる期間内であれば機器保証が効きますので、過積載を行われる事業者様にとっては安心といえると思います。
※SMAは20年間の保証期間がありますのでFIT期間中は常に保証が効くことになります
多くの方が心配されるメリットが出るのかどうかと、リスクが高くなるのではという質問に対しては、根拠ある数字とメーカーの保証で守られるという2点からクリアできると考えています。
KGSの提案
21円の売電単価でも過積載をきちんと行えば、今までと同程度の利回りを確保することができます。
KGSでは事業者様の利益が最大になるように過積載率を計算しています。
では2017年度21円の売電価格でのモデルケースをご紹介しましょう。
下記のようなご提案をさせていただくことが多いです。
パネル容量 | 95.58kW | モジュール | ネクストエナジー295W 324枚 | 過積載率 | 193% |
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システム総額 | 16,800,000円(税込み) | 売電収入 | 2,493,235円(税込み) | 回収年数(利回り) | 6.7年(14.9%) |
いかがでしょうか?
21円の売電単価でも高い利回りが確保できることがわかると思います。
売電単価が下がってくるにつれて太陽光発電事業はもう終わりという声をよく聞きますが、今回ご紹介させていただいたようにご提案させていただいているお客様はまだまだこれからと積極的に土地を探してこられます。
2012年固定価格買取制度が始まった当初に比べると売電単価は半分くらいまで下がってしまいましたが、一方で設備費用や工事費用は半分以下になっていると感じています。
色々な発電所のお手伝いをさせていただきましたが、利回り率や回収年数という点で考えるとむしろ以前よりもよくなっているぐらいです。
今回は過積載についてご紹介いたしましたが、事業採算性を高くする方法は他にも様々あります。
これから太陽光発電事業に取り組んでいきたいとお考えの方は、いつでもお気軽にお問合せください。お客様の状況に合わせて最適のご提案させていただきます。
どうぞ、KGSをよろしくお願いします。