2017年改正FIT法と今後の太陽光発電事業を考える

太陽光発電事業

改正FIT法の理解が発電事業のあり方を変える!?

2017年4月からスタートする改正FIT法により、太陽光発電事業を始めとした再生可能エネルギーが大きな転換期を迎えようとしています。

この法案により、すでに事業を始めている方も様々な点で影響を受けます。

本コラムではこれから事業を始める方、もうすでに事業を始めている方の両方に知っておいてほしいことをご紹介していきたいと思います。

改正FIT法は決して事業のマイナスになるものではありませんので、構えず情報収集をしていただければと思います。
※本記事は2017年3月1日時点での情報をもとに作成しています
※ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください

そもそも改正FIT法案はなんのために制定されたのか

まず改正FIT法がなんのために制定されたのかを考えてみたいと思います。

経済産業省のHPには次のように記載されています。

・再生可能エネルギー導入拡大は、自給エネルギーの確保、低炭素社会の実現などの観点から重要。2012年の制度解説以来、再生可能エネルギー導入量は約2.5倍に増加しているが、国民負担が増大。

・エネルギーミックスの検討においては、電力コストを現状より引き下げたうえで、再生可能エネルギー拡大のために投ずる費用(買取費用)を3.7~4.0兆円と設定しているところ。

・固定価格買取制度の開始後、すでに買取費用は約2.3兆円(賦課金は約1.8兆円。平均的な家庭で毎月675円)に達しており、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、コスト効率的な導入拡大が必要。

という言葉からスタートして背景のページの最後には、
「再エネ最大限の導入と国民負担の抑制の両立 エネルギーミックス:22~24%の達成に向けて(2030年度)」
と締めくくられています。

この文章だけを見ると「再生可能エネルギーは増やしたいけど国民負担が多くなってきたので見直しをします!」と読み取れます。

この内容を踏まえたうえで、今回の改正FIT法の概要を見たいと思います。

改正FIT法の大まかな内容と背景

今回の改正FIT法の大まかな内容は次の通りです。

①新認定制度の創設
②コスト効率的な導入
③リードタイムの長い電源の導入
④減免制度の見直し
⑤送配電買取への移行

今回の改正FIT法ではこれら5つの項目について何かしらのてこ入れがされています。
太陽光発電事業を行う方にとって重要なことは実はここには載っていません。
※後ほど説明したいと思います

再生可能エネルギーの導入を最大限にしたいというのであればもっと簡単な制度にしたほうがいいように思うのですが新認定制度は今までの設備認定よりも少し過程が多くなっています。

また、②のコスト効率的な導入の中には大規模太陽光発電の入札制度というものが明確に組み込まれています。(2017年10月から実施予定)

細かな背景などは省きますがいろいろな事柄を整理すると、
再生可能エネルギーの最大限の導入させるために「やるかやらないかわからないけれどとりあえず申請だけを出す人の数を減らし、太陽光発電に大きく偏ってしまったバランスを少しでもほかの電源を確保していきたい」といえます。

特に新認定制度の創設で太陽光発電を発電事業と考えず、ただの投資と考えている方には参入しにくくなると考えられます。

その代わりに、きちんと発電事業として利益を出す仕組みを考えている方には今までとほとんど変更はありませんのでこの制度がスタートすることで太陽光発電事業がやりにくくなるなどのデメリットはありません。
※大型の発電所に関しては少し様子は異なります

ではもう一つの国民負担の抑制について考えてみたいと思います。

国民負担を抑制するということは今回の法案で国民に係る分を他のところに負担させる、という内容が記載されているはずです。

①~⑤を見てみるとどうやら④の減免制度の見直しと⑤の送配電買取への移行というのがそれにあたりそうです。

それぞれの項目は後ほど詳しく説明しますが、減免制度というのはある一定の要件を満たす電力受給者は割賦金の割引を受けることができる制度です。

そのためこの④は国民負担の抑制にはつながらず、今まで割引を受けていた方の割引率の見直しや改善ということになります。

⑤の送配電買取についてですが2020年からは太陽光発電事業を行っている人も配線について費用を払うという内容になります。

イメージ的には配線を使うレンタル費用を払うといったイメージです。
しかし、この送配電買取に関してはまだ具体的な内容が示されておらず、どのようなものかがまだ明確にわかっていません。

新電力会社が託送量の負担を求められているのに近いと思います。
※結局電力会社が絶対に損をしないような仕組みになっている気がしますが・・・

もし仮に、送配電の買取が低圧の発電所を持つ太陽光発電事業者にも必要になった場合、発電事業の収益性が下がることは避けれないこととなります。

もともと、高かった売電単価なので仕方がないと思いますがどの程度の負担があるのかをきちんと認識して、そのうえで事業計画を立てる必要があります。

結局のところ国の方針としては太陽光発電事業があまりにも増えすぎたことで国民負担が大きくなりすぎたので少し制度を厳しくして、投資と考えて無責任に発電事業を行っている人にちゃんとしてくださいと伝えたいのだと思います。

改正FIT法を踏まえての発電事業とは

ここまでは背景について記載してきましたが、実際に改正FIT法が始まることで太陽光発電事業者は何をしないといけないのでしょうか?

後々変更点は出てくるかと思いますが大きな変化は次の通りです。

これからの方もすでに発電事業を始めている方も同様の内容

①事業計画の提出
②メンテナンスの義務化
③フェンス設置の義務化
④事業者情報の提示

これから発電事業を行う方

・認定制度の変更

※細かな点は割愛しています

それぞれ細かく見てみましょう

①事業計画の提出

無責任な発電所が増えた結果、すべての太陽光発電事業者は事業計画の提出が求められます。
これは、すでに連携を行っている事業者も同様に求められます。

事業計画といっても決して難しいものではなく、テンプレートがありそれに則って提出する必要があるみたいです。
※テンプレートは3月中旬に公開予定

発電事業を行う上で考えないといけない発電事業をやめるときにどうするかなどを記載する項目があるとのことです。

ちなみに原文をそのまま記載すると下記のとおりです。
「認定基準:再生可能エネルギー発電設備の破棄そのほかの認定申請に係る再生可能エネルギー発電事業を廃止する際の発電設備の取り扱いに関する計画が適切であること」
「審査基準:収支計画において廃棄費用が計上されていること」

20年以上先の廃棄費用を算出して事業計画として提出しなければいけません。
率直な感想なのですがどうやって20年後の廃棄費用をきめるのか、考えてしまいます。

②メンテナンスの義務化

発電事業を行っている方が一番気にしているのがこのメンテナンスだと思います。

こんなメンテナンスを行わないとだめですよといった内容は記載されておらず、次のように記載されています。

原文(主な認定基準の審査基準)
「認定基準:再生可能エネルギー発電設備に保守点検及び維持管理するために必要な体制を整備し、実施するものであること」
「審査基準:「保守点検及び維持管理の責任者が明確であること、②保守点検及び維持管理計画が明確であること」

つまり、審査の段階ではだれが保守点検を行うことが明確になっていて、どのようなメンテナンスを行うのかが明確になっていればOKということになります。

決められたことは守るのが当然ですが、明確にさえしていれば具体的な内容が問われないというのはいかがなものかと正直思います。

メンテナンスの義務化に合わせて、弊社もそうですが多くの会社がO&M事業を展開しています。

メンテナンスの具体的な内容がないので中O&Mの内容は様々ですが、JPEAなどが推奨しているような高圧の発電所に行うような電気系統の詳細を確認したメンテナンスを展開しているところは圧倒的に少なく。

ほとんどの会社が遠隔監視装置によるモニタリングと目視点検、駆けつけサービス程度にとどまっています。

弊社ではメンテナンスに関する内容は数回に分けて改正されると考えていますので、事業者様にあまり長期間のメンテナンス契約を結ぶことはおすすめしておりません。
※弊社では1年ごとの更新で様々なプランをご提示しております

③フェンスの義務化

フェンスの義務化は主に安全面から考えられています。

今まではなくても特に問題にならないところもありましたが、この改正FIT法ですべての発電所にフェンスの設置が義務図けられました。

これは例えば人が全く来ない発電所も同じです。
フェンスの高さなどには特に指定はないのですが1m程度の高さのフェンスであれば問題ないみたいです。

こちらも既存の発電所にも適用される義務なので、フェンスを設置していなくてぎりぎりまでパネルを設置している場合、新たにフェンスを設置することで影の影響が出てしまうことが懸念されます。

これに関しては安全面の問題なので個人的にもフェンスの設置はすべきだと思います。
※KGSには格安フェンスもありますのでお気軽にご相談ください

④事業者情報の提示

事業者情報の提示に関しては原文から見てみましょう。
「標識の提示」
「認定基準:外部から見やすいように再生可能エネルギー発電事業を行おうとするものは氏名又は名称そのほかの事項について記載した標識を掲げるものであること(太陽光発電設備20kW未満・屋根置きは除く)」
「審査基準:設備配置図上で標識を掲示する場所が明示されていること」
「必要書類:構造図(設備配置図)」

標識に記載する内容は明確に決まっていない点もあり、特に事業者が個人の場合どこまでの情報を提示しなければいけないのかが決まっていません。

経済産業省からは2017年3月中旬には決まると発表されています。

おそらくですが個人の住所や電話番号は掲載しなくても良いようになると考えられており、メンテナンス会社に依頼していればメンテナンス会社の情報を掲載すればいいと思われます。

ただし、メンテナンスを任せていない場合はメンテナンス責任者を決めてその方の情報を掲載する必要が出てきます。

こちらは2017年9月までに設置することが義務図けられており、設置されない場合は個別指導に代わると聞いています。

新認定制度について

認定制度が新しいものに変わります。
これは今まででしたら設備認定の申請を行い、申請が下りたタイミングで電力申請といった流れでした。

大きな流れは変わらないのですが新しい認定制度では、設備認定の申請を行った後にJPEAからの確認が入ります。

これは人との土地に勝手に申請を行う方が多かったためだといわれています。

JPEAが事業者本人に確認を取り、問題ないと認められた後で申請が下りる仕組みになっています。

また、新認定制度に伴い必要書類が増える見込みです。

先ほどご紹介した事業計画書などがその1例です。

結局のところ改正FIT制度って

説明や前置きが長くなってしまいましたが結局のところ改正FIT法は今まで無秩序で行われてきた再生可能エネルギーに関してきちんと制度を作っていこうという取り組みといえます。

今までに比べると手間やかかる費用が増えることになりますが、適切な発電事業を行うのであればもともと必要なもので、今までがルーズすぎといえます。

これから発電事業を行う方もすでに発電事業を行っている方も、このようにとらえていただき発電事業に取り組んでいただければと思います。

今までの発電事業に比べてコスト的にかかる費用は今のところメンテナンス費用程度です。
太陽光はメンテナンスフリーという触れ込みで大きく広がりましたが、今はそれが間違っていたことが広く知られていますのでいずれにせよ必要なものです。

改正FIT法により事業収支が合わないとおっしゃられる方も多いですがこのように考えていけば今までとほとんど変わらない発電事業が行えると思います。
※売電単価が下がっていることは除きます

最後にKGSのご紹介

最後に弊社の紹介をさせていただければと思います。

私たちKGSでは改正FIT法後も事業者様が適切な利益を得られることができるようにシステムの設計・施工・運営のお手伝いをさせていただいております。

弊社の一番の強みは様々な発電所設計で培った高い提案力です。
特に低圧の発電所の提案においては他社よりも数段高いレベルでると自負しております。

高い提案力があるため、売電単価が下がり・メンテナンスなどの維持費用が追加でかかっても14%程度の利回りを確保することが可能となっています。

本記事や弊社にご興味を持っていただけましたらお気軽にお問合せいただければと思います。


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