ソーラーシェアリングを進める問題点と改善点は一体どこにあるのか?

ソーラーシェアリングを進める問題点と改善点は一体どこに?

ソーラーシェアリングの規制が緩和され本格導入されるのか?問題の根本は違うところにあるのでは・・・

 

ソーラーシェアリングの規制が緩和されて、農地転用の一時許可が3年から10年に伸びました。

 

その結果、ソーラーシェアリングを行う方からすれば、万が一3年で次の許可が下りなければどうしよう・・・という心配がなくなり、安心して発電事業と農業を行うことができます。そして、土地当たりの収入を大きく増やすことができるようになります。

 

政府はソーラーシェアリングを進めることで、今まで耕作放棄地になっていた農地を少しでも有効活用をして、農業の発展につなげていこう!という考え方があるのだと思います。

 

太陽光関連の方策としては近年まれにみる良い改善策だと思うのですが・・・
今までいろいろな形でソーラーシェアリングに関わってきた弊社としてはそれはいいけれども、そこだけ改善されてもね・・・と正直考えてしまいます。

 

そこで本コラムではソーラーシェアリングを本気で進めるためにどのような問題が根本的にあり、クリアするためにはどうすればいいのかを考えていきたいと思います。

 

ソーラーシェアリングが進まない根本的な問題はどこに

 

まず、ソーラーシェアリングが進まない根本的な問題がどこにあるのかを考えていきたいと思います。

 

基本的なことになりますが、そもそもなぜ農地に太陽光発電所の設置がNGなのか、わざわざソーラーシェアリングという手間もコストもかかる方法を取らないといけないのでしょうか?

 

ソーラーシェアリングは経済産業省と農林水産省2つの関係法案が出てきて、通常の太陽光に比べると少しややこしくなります。

 

経済産業省単体はソーラーシェアリングだとしても通常の太陽光発電の内容と申請方法は全く変わりませんので申請が通れば経済産業省側としては基本的にはどこに設置をしても問題ありません。
※関係法案の確認事項に農地かどうかの問題があるのでどこでもOKではありませんが・・・

 

ただし、農地は本来国の食料自給率にかかわるものなので、農林水産省管轄の元農地では農業以外を行うことができなくなっています。

 

農地に設置してある太陽光発電所は、農地転用を行い、農地以外の地目に変更後設置を行います。しかし、すべての農地が農地転用できるわけではなく、農振地といわれる特に農業に適していると考えられている土地では農地転用を行うことができません。

 

本来農地では農地転用ができないのですが、ソーラーシェアリングは太陽光発電所の下で農業を行うので、例外として杭などを打つところを部分的に農地転用の許可を出してくれています。

 

ソーラーシェアリングは本来設置ができない農振地に、太陽光発電所を設置するためにできた「おきて破り」のような方法なのです。

 

ただし、実際に設置を行う事業者の方には許可があくまで一時的で3年毎に更新できなければ太陽光発電所の撤去をしなければいけません。そのため、事業採算性が全く取れなくなる可能性があることや、事例が少なすぎてどのような書類をどうやって準備をしたらいいのか?遮光率と作物の関係についての研究資料が少なく、なかなか取り組みにくいなどで問題がありました。

 

今回の制度見直しにより変わる内容は、これの取り組みにくかった問題をある程度解決できるようになっております。

 

今回の制度改善で発表されているものは下記の通り。

制度改善による変更点

①条件はあるものの一時転用許可が3年から10年に変更
②必要書類のチェックリストを作成、周知
③優良事例を豊富に公表

一時転用許可が伸びたことで事業者は3年毎のチェックを気にせず、営農を行うことができるようになりましたし、チェックリストもかなり細かく用意してくれたことでどのような情報を整理すればよいのかがわかりやすくなりました。

 

優良事例も事業収支からどのような作物をどんな遮光率で育てているのかがわかるため、これから取り組もうと思っている方には非常に参考になるかと思います。

 

冒頭にも記載させていただきました近年様々な悪手と思われる太陽光発電関連の制度改善の中では目を見張るような良い改善だと思われます。

 

さて、前置きが長くなりましたが、次ではソーラーシェアリングが進まない根本的な理由について記載していきたいと思います。

 

まず、誤解のないように先に記載を行いますがソーラーシェアリングの認可件数は右肩上がりで上がっていますので進まないというと実際は間違いです。

 

あくまで進みにくいととらえていただければ幸いです。
※ただ、認可件数が増えてきているのはシェアリングに力を入れている会社にノウハウと資料が溜まってきたからで一事業者がよしやるぞ!と申請を進めていこうとしてもやはり進まないと思います

 

ソーラーシェアリングが進まない根本的な理由は農業委員会の担当者!?

 

これははっきりと記載させていただきますが、ソーラーシェアリングが進みにくい根本の理由は農業委員会の担当者の勉強不足だと思っています。

 

不思議なことですが農地の一時転用は地域によって全く考え方が異なっています。
※太陽光に関するガイドラインは一切考えず
※ソーラーシェアリングと記載すると太陽光関係とごっちゃになるので一時転用と記載していきます

 

考え方が異なっているとどうなるのかというと、地域ごとによって一時転用の許可の取り扱いが変わります。
つまり、地域によって一時転用ができない場合があるということです。

 

農地転用ができる白地農地は農業委員会側からすると農地が実際に減ってしまうので農業委員会がこれ以上農地を減らしてはダメだ!と考えた結果農地転用を許可しないというのはまだわかります。

 

ただ、一時転用に関しては営農物は変わる可能性がありますが農地はそのまま農地として継続しますし、場合によっては耕作放棄地になっていたところが再度畑として復活する可能性もあります。

 

それにも関わらず、私が今までサポートさせていただきました地域では、ソーラーシェアリングは難しいとか無理といわれたこともあります。

 

ちなみに認識違いかもしれませんが、基本的に関係書類がしっかりと作成できて、営農に支障がないと判断されれば一時転用は可能です。一時転用できないのは営農に影響が出ると判断された時のみだと思います。

 

結局のところとやり取りしていて分かったのですが、申請をする地域の農業委員会の担当者が制度をきちんと理解できているのかによって進み具合は大きく変わります。

 

偏見といわれても仕方がないのですが、私が携わった一時転用の場合、こちら主導で担当者に一時転用に関するルールを教えてあげないと正直話が進みませんでした。

 

実際に事業者の方が農業委員会に自分の土地でソーラーシェアリングができないか確認したときに、できないといわれて、後々良く調べるとできないのは農地転用で一時転用に関しては全く問題がないというケースもありました。


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ソーラーシェアリングを確実に進めるために

 

先ほども記載しましたが、ソーラーシェアリングの認可件数は実際には増えています。
誰が農業を行って、だれが太陽光発電事業者になるのかなどの問題点はいくつかありますが、ソーラーシェアリングに関してきちんとした知識を持って、実績を踏まえたうえで農業委員会の担当者を引っ張っていけるような企業であればソーラーシェアリングは進んでいくと考えています。

 

ただ、どれだけルールが良くなってきたとしても、通常の太陽光発電事業に比べると、作る書類・確認してもらう場所・検討してもらう時間がかかるため申請開始から設置ができるまでに1年程度かかってしまうことが多いです。

 

ちなみに一時転用は営農に支障がないという判断の下で許可がされますが、支障がないと判断するポイントは下記の通りです。

営農に支障がないポイント

①遮光率に対する専門家の意見
②農機を使用することができる設計の架台
③杭は容易に解体ができるような仕様かどうか
④営農計画

 

これらの書類をきちんと出すことができれば、基本的には一時転用は認められます。しかし、書類の作成は容易ではなく0からすべて作るのは困難です。

 

書類は申請を行っている会社には大体テンプレートがあり、あとはそれをそれぞれの事業者に合わせて変更するだけのことが多いです。

 

一番厄介なのは、遮光率に関する専門家の意見ですが、これは優良事例を参考にすることができそうです。

 

農業委員会に言われたから無理ではなく、きちんとルールにのっとり一つずつ進めていけばソーラーシェアリングを行うことは可能となります。


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ソーラーシェアリングの今後について考える

 

今後ソーラーシェアリングはどのように変わっていくのでしょうか?
通常の太陽光発電所と同様に太陽光発電所のシステム費用に関してはかなりの勢いで金額が下がっています。

 

今まであればkWコストの高いソーラーシェアリング用のハーフカットモジュールなどを使用していましたが、現在はよく使われているkWの安い60セルのパネルを使用したり、架台も中国製の安い架台がシェアリングように出てきていますので土地代の安い農地は非常に魅力的になっています。

 

ただし、20年間の営農を続けないといけないルールがあるため、農業法人などで農地も買えて労働力も自分たちで持っているところでないと参入が難しかったりもします。

 

個人農家の場合、次のような理由で断念が多いです。

個人農家が断念する理由

①高齢で20年間農業を行うことに対して不安がある
②年齢的に20年間農業を行うことができなくはないが農業を続ける意欲があまりない
③農地を相続したけれども自分は農地を行うつもりが全くない

 

このような方の中には農地を手放したいと考えており、弊社にも良く農地の買取依頼が来ています。

 

ソーラーシェアリングに対して興味を持っている太陽光発電事業者は非常に多いのですが農地の売買は農家しかできないことや、実際に農業をするといっても本職が他にあり、家庭菜園程度が限界のためとてもソーラーシェアリングを行うことができないような状況が多いです。

 

これらを解決するためには農家と発電事業者をつなぎ農業を行ってもらうか、農業法人のような母体がしっかりしているところにソーラーシェアリングを行ってもらうなどになると思います。

 

いずれにせよ、今回の改善策でより多くの方がソーラーシェアリングに興味を持ち、興味を持った方の声が大きくなれば農業委員会としては取り組まざるをえなくなり、担当者の経験がつけば申請関係はスムーズになるのでは?と思います。
※経済産業局の高圧太陽光の申請も最初はひどかったですからね

 

ソーラーシェアリングはエネルギー自給率だけでなく、食料自給率も高めていくことができる可能性を秘めた非常に良い制度と思います。

弊社としても積極的に取り組んでいきたいと思いますのでご相談をいただければ幸いです。


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