2017年8月31日:公布により、これまで通りの増設ができなくなりました。
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等が公布されました(資源エネルギー庁)
※別窓で開きます
すべての増設ができなくなったわけではありませんので、
手続きに関する不明点や詳細につきましては、お問い合わせください。
新しい太陽光発電システムの構築で既存発電所の収益性をアップ
今回の太陽光発電展示会はざっくりご説明しますと新しい企業の参入は少なく、今までも展示を行っていた企業が今年も展示していたといった感じが強かったです。
パネルメーカーもここ数回展示会に顔を出しているところばかりで、新しいパネルメーカーは中国の名前を聞いたことがないところぐらいでした。
商社さんもだいぶ絞られてきたのか太陽光業界ではある程度名前の通ったところばかりでした。
このように少しマンネリ化してきた展示会でしたが、探せば面白い商品はあるものです。
いくつかあるのですがそれぞれがご紹介したいことが多いので今回のコラムでは1社だけご紹介させていただければと思います。
300%の仮説を可能にするピークシフト型蓄電池の登場
産業用蓄電池は抑制地域の発電所に設置することで電力会社の抑制の対象になりにくかったり、無制限の抑制を回避することができるなどのメリットがあり、一時期注目されていました。
しかし、蓄電池の価格があまりにも高額なため、事業採算性が合わず導入を見送られてきたという過去があります。
現在も蓄電池価格はそこまで下がっていませんが株式会社A-スタイル株式会社会社様の蓄電池システムは非常に面白いシステムで過積載の可能性を大きく広げてくれました。
通常の蓄電池は抑制がかかり売電ができないときにためておくのが基本的な機能となり、あくまで売電する予定だった電気をためておくものといえます。
言い換えますと従来の蓄電池だとピークカット分は蓄電池にためることはできませんでした。
※蓄電池を設置しても売電量が増えるわけではないので導入が難しかった
しかし、このA-スタイル株式会社の蓄電池システムはピークカット分の蓄電池をためることで売電量を増やすことができるのです。
設置場所の日射量によって異なりますが、極端な話49.5kWのパワコン夜用の発電所であれば24時間ずっと最大値の売電を行うことができることになります。
この考え方をピークシフトといい、ピークカットされる分を蓄電池にためておき、売電時に49.5kWを切った時にためていた蓄電池の電力で補完をしながら売電していく仕組みになります。
蓄電池はパワコンの前に直流側に設置をしますのでパワーコンディショナに安定した電圧・電流の電気を流すことができますのでパワコンにも優しい仕組みになっています。
過積載をしすぎるとピークカットのピークカットになってしまうため、無限に過積載ができるわけではありませんが、メーカーさんの計算では300%くらいの過積載を行えば常時最大量の売電ができるとのことです。
増設案件にうってつけの商品
この蓄電池はこれから太陽光発電所の設置を行う方はもちろんですがそれ以上に増設が可能な発電所を持っている事業者様に大きなメリットをもたらしてくれます。
通常の増設は配線を解体して組みなおすことが多いですし、設置しているパワコンによっては思ったほどの増設ができないことがあります。
しかし、この蓄電池は現在の回路とは別系統を作るように形になりますので非常に工事も簡単でほとんどパワコンに影響されてないといえます。
そのため、増設が難しいパワコンを設置している方も増設を行うことができます。
既存発電所は増設の規制になる可能性がある!?
ただし、気を付けないといけないこともあります。
それは現在国の方で既存発電所の増設に対して規制をかけようという動きがあることです。
売電単価の高い発電所は国民負担で成り立っているからで、高い売電単価の発電所を増設するということはさらに国民負担の高い電気を増やすということになり、不公平が出てしまうからだそうです。
この不公平が何を指しているのかがわかりにくいですが、40円36円32円などの売電単価の発電所はこの規制のため今後増設ができなくなる可能性があります。
2017年3月13日現在ではまだはっきりしたことは決まっていませんが、噂では2017年8月ごろをめどに何かしらの規制が敷かれるといわれています。
価格と費用対効果について
Aスタイルの蓄電池eCHARGEの価格と費用対効果について考えてみます。
eCHARGEは少し変わった販売形態をとっており、事業者様が購入するときは弊社のような施工・販売店との契約ではなく直接Aスタイルとの契約になります。
今のところ商品は一つだけでIoT通信機付の蓄電池システムが130万円でIoTなしの蓄電池システムが110万円となります。
※蓄電池容量は13kW で実質12kWになります
IoT通信機付の蓄電池は必ず一つ必要でそれ以外は無しで大丈夫です。
6kW未満のパワコンには1台のみ設置可能でそれ以上のパワコンには2台設置が可能ですので最大10台の蓄電池システムが必要になり、最大設置を行った場合のトータル価格は1120万円になります。
契約形態はリース契約になるのですがこのうち9割を頭金として先に支払い、残りを15年間のリースを組み支払う仕組みになっています。
リースにすることで処分などの心配がなくなります。
費用対効果に関してですが蓄電池システムだけで考えた場合、21円案件で約11年程度での回収になります。
※KGS独自の計算で算出しており保証できる数字ではありません
蓄電池の価格がまだ高いため21円の売電単価では少ししんどいなというのが実感です。
では、40円や36円ではいかがでしょうか?
40円の案件であれば約5.5年で回収が可能です。
36円の案件であれば約6.4年で回収が可能です。
32円の案件であれば約7.4年で回収が可能です。
27円の案件であれば約8.6年で回収が可能です。
24円の案件であれば約9.6年で回収が可能です。
メーカー側でもまだシミュレーションの詳細データが出せないためあくまで理論値になりますが、十分メリットが出る数値といえると思います。
増設分のシミュレーションはメーカーに協力してもらいだすことは可能ですのでご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください。
※価格と費用たい効果については2017/4/10日に加筆した内容になります
A-スタイル株式会社蓄電池のまとめ
今回の蓄電池を導入するメリットが高い方は次のような方です。
①すでに連携済みの発電所を持っていて増設するスペースがかなり大きい方
②田淵やオムロンの過積載率が低いパネルを設置している方
③過積載率をできるだけ高くして設置をしたい方
このような方で今回の記事を見て「おっ」と思われましたら是非お気軽にお問合せください。
コラムでは伝えにくいことがいろいろとありますのでご説明させていただきます。
稚拙な文章で非常に恐縮ですが皆様のお役に立てればと思います。
なお、過積載率を高くする商品は他にもいくつか開発されていますので、近いうちにご紹介できればと思います。